広い大里公園の中、グランドの脇にある大里資料館。
青春の仕業ですか(笑)、
窓の風通しがよいです…
ここには、地元で使われていた民具がいろいろ寄贈保管されています。
ちょっとした地域の民俗博物館なんですね。
ちゃぶ台の左上の容器は銅製酒器のチロリと片口でしょうか。
秋の夜長や冬の農閑期、火鉢で暖をとりながらこれで熱燗をチビリチビリやったにちがいありません。
「釜」とあります。
銅の釜というのはあまり見ない気がします。
つば(羽)がなくても釜の分類なのですかね?
竃(かまど)ではなく火鉢や七輪で五徳の上に乗せて調理したのかもしれませんね。
戦前のヘラ絞りによるものでしょうか?
(ヘラ絞りとは、型を回転させながらそこに金属板をヘラで押し付けながら成形する金属加工技術です。詳しくは→ヘラ絞り Wikipedia )
薬缶も含めたこちらの銅器達は、どの地で作られたモノなのでしょう?
機会があったら調べてみたいです。
関西は北陸が近いので、やはり銅器で有名な高岡だったりするのでしょうか…
それとも大阪の下町工場?
(ヘラ絞りには、大阪絞りというのがありまして、東京絞りとヘラの使う向きが逆なのです。)
キャプションの説明書きでは「中側はシロメが塗ってある」とあります。
シロメとは錫(すず)のことです。
かつて、銅の”さび”「緑青」は猛毒と信じられていました。そのため食品衛生法で銅製品の食品に接するところは錫メッキ(又は銀メッキ等)をしなくてはいけないという決まりがあるのです。
ところが1984年、厚生省が緑青は無害と発表しました。
しかしその決まりだけが未だに残ってしまっているのです。
錫は融点が大変低く約232℃程度なので錫引きされた銅製の鍋や薬缶を使う時は中火以下で使います。空焚きは錫がとれてしまったり銅器本体も焼鈍(高温の加熱によって金属組織がほぐれて柔らかくなってしまうこと)されてしまうので厳禁です。錫を引きなおすことはできますがとれてしまってもそのままで問題なく使えます。
なんだか、マニアックな話にそれてしまいましたね…
羽釜。
手前下の道具は養蚕関係のもの。
ベベルギア(傘形歯車)の「製縄機」。
これはそんなに古いモノではなさそうですね。
空間確認ツアーの話からどんどん外れていってます…(笑)
でも私はそれほどモノ自体に執着があるわけではなく収集癖もありません。
どちらかといえばそれらを通して見えて来る、そこで営まれていた人々の生活や文化に興味があるのです。